売却を考えた時に読んで頂くこと

住み続ける事が出来ないと判断された場合、あるいは当初から不動産の売却を予定されている場合、どのように売却を進めたら良いかを考えます。

まず、現時点の夫婦間はどのような関係でしょうか。

①離婚したら、連絡が取れない、連絡を取りたくない

②離婚しても、連絡が取れる(弁護士などを通じたとしても)

これによって、売却のタイミングが変わってきます。

①の場合は、離婚成立前に売却することになるでしょう。連絡を取りたくない、あるいは取れないのであるから仕方がない事です。

②の場合は、離婚成立後であっても売却活動が出来ますので時間的猶予があります。

不動産の売却には、「一般向けに販売する方法」と「不動産会社に買い取ってもらう方法」があります。

①の場合は、一般向けに販売活動をすると、すぐに売却出来るとは限りません。

購入希望者が現れても住宅ローンを使う方だとローン審査等の期間が必要になりますので、早期売却は難しくなります。つまり、一般向けに販売するのは不向きと言えます。

急ぐのであれば、不動産会社に買い取りしてもらうことになるでしょう。もちろん、不動産会社が買い取り出来る金額に対して、あなたが承諾出来ることが前提になりますが、不動産会社は即金(借入であっても早い)となりますし、担当者が現地を見て、社内協議(稟議・資金繰り)、これで判断が出来ますから早いわけです。

②の場合は、一般向けに販売活動が出来ますので、①に比べると金額は高く売れます。インターネットの不動産サイトには売買物件がたくさん出ておりますが、これらは一般向けに販売をしているものです。

夫婦間の状況によって、どうされるかお考え頂くとよろしいかと思います。

ここで疑問が出てくると思います。

Q)不動産会社に買い取りをしてもらう方がなぜ安くなるか?

A)不動産会社は購入した不動産を再販するからです。

買い取りの際、不動産会社も登記費用や不動産取得税がかかります。販売するには不備箇所を修繕しなければなりませんし、販売広告費もかかります。売れないと値下げするリスクもあります。そして、利益も得なければなりません。だから、一般向けに買ってもらうよりも、安くなるというわけです。

ただ、最大のメリットは売却手続きが早期に済むことですので、早々に次の生活に移りたく、売ることを優先するのであれば、考え方としてはありかと思います。

Q)一般向けの販売をする際、いつごろからすべきか?

A)居住中でも、お引越しが終わってからでも、どちらでも構わないと考えます。

<居住中の時はこのようになります>

・家具・家電・荷物等が残っておりますから、内見の際、売主は必ず立会をお願いすることになります。従って、内見したい方がおりましたら、日程調整をして日時を決めます。

・日程調整はメールや電話で、売主が仕事中であっても入ってきます。

・内見は土日の頻度が高いです。離婚でタダでさえ心身疲れている休日に、知らない人が、ぞろぞろ家を見に来るのは疲れるものです。近所の方も何事かと思われますし、はっきり申して大変です。

ただ、早めに売りたいのであれば、居住中でも柔軟に内見を受け入れられるか、それが出来ないのであれば、早々に転居して頂くということになります。

<退去後(あるいは殆ど荷物類が無い状態)の内見はこのようになります>

・鍵を不動産業者に預けることで、売主の立会が不要となります。内見の方とお会いすることがないので、余計な気を遣う事はありません。

・内見したい方の都合で部屋を見せることが出来ます。

・退去していますから、近隣の方も売却するのかなと勝手に思う程度です。

時間的な猶予があるのであれば、夫婦がすでに別の住まいに引っ越しされ、何も荷物がなくなった状態で一般向けに販売するのが、気持ちが楽ですし、部屋の状態を良く見て頂くことにも繋がります。

Q)売却する方針が決まったら、住宅ローンを借りている金融機関に連絡は必要か?

A)必要です。

①売却して住宅ローンを一括返済する と事前に連絡しておきます。

②金融機関は金利を計算したり、抵当権の抹消書類を準備したりするため、引渡しまでに、少なくとも2週間程が必要です。この辺は担当する不動産会社も把握していますので、相談しながら進めると良いでしょう。

Q)売却価格よりもローン残高の方が大きい場合はどのようになるか?

A)売却出来ませんので、不足額を自己資金で用意して頂く必要があります。

不動産取引では決済時に、買主より代金を頂き、売主はそのお金で住宅ローンを一括返済します。この時までに不足している金額をご用意頂かないと、決済が成立しません。

預貯金などからご用意頂き、なければ親御さんや兄弟姉妹からの借入、あるいは金融機関からの借入などの方法にてご用意頂くしかありません。 なお、自己資金が用意出来ない場合ですが、ここでは説明致しません。